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スポーツコミッションあおもり創発


ラインメール青森FCオーナー
榊 美樹

オーナーのつぶやき

「ボールは疲れない」と呟いたのは、オランダのサッカー選手ヨハン・クライフだ。この言葉の文脈は、「人はボールより速く走れない。いくらボールを動かしてもボールは疲れない」ということ。クライフは昨年の3月に永眠している。(合掌)このクライフの名言の要は、3-4-3の布陣で選手間に12個の最多のトライアングルを散開させて、プレッシングを無効化させ、ボールを支配することだった。

時は、古き良き時代のアメリカ。睨みを利かした各地区のマフィアのボスが無言で集まり(コミッション)、世話役が「じゃ、そういうことで。」と低い声でつぶやく。すべての紛争解決・跡継ぎ問題・大規模興行はこうして何事もなく円滑に進行していく。そして時は過ぎて、現代。映画撮影の支援・誘致で地域活性化させる組織がフィルムコミッション、地方公共団体の一部署や観光サービス団体がその世話役を買って出ている。そして、スポーツの誘致・環境の整備・受入体制の構築などを担うのがスポーツコミッションだ。因みに、「スポーツコミッション」は登録商標。だれそれと名乗れない。2017年1月現在、31都道府県に56の組織がスポーツ庁により確認されている。地方公共団体、広域組織、民間企業、各種団体が連携・協働して取り組んでいる。しかし、青森県にはひとつもない。ただ、同じような活動をしている総合型地域スポーツクラブは県内に35クラブ存在する。これらのクラブと、市町村、青森県、民間企業がトライアングルで繋がり、地域活性化、スポーツツーリズムを推進できるはずだ。できないわけがない。

クライフは云う、「ボールを持っている選手よりも、ボールを持っていない選手の方が重要だ。」と。それは、ボールをもらった瞬間にベストな状態で動く為には、常に戦局全体の流れを頭に置き、自分の周辺の局地的な状況を理解する必要があるからだ。

スポーツ庁では平成27年度より、スポーツコミッションの活動を支援する事業を実施している。第2期スポーツ基本計画では、2021年度末までに、全国の地域スポーツコミッションの設置数を170にまで拡大することを目標として掲げている。また、政府は、これからのスポーツ市場を2025年には15兆円規模になると予想している。平成28年には、スポーツ庁からスタジアムアリーナ改革指針が出され、スポーツ施設に対する固定観念や前例主義を排して、コストセンターからプロフィットセンターへの転換を呼びかけている。スタジアムアリーナは、周辺の飲食・宿泊・観光を巻き込んで、地域活性化の起爆剤となる潜在力を秘めている。風は確かに吹いている。

青森市周辺には、日本最大の縄文集落跡の三内丸山遺跡、シャガール「アレコ」全4作品が展示されている青森県立美術館、あすなろ国体が開催された青森県総合運動公園、棟方志功画伯も逗留した浅虫温泉、ランプの宿の青荷温泉など各地に温泉が散在している。さらに、残雪の八甲田山から若葉輝く十和田湖エリアまで含めると、あおもりツーリズムゾーンとしては申し分がない。ここに新たなスタジアムアリーナを建設し、これを核として新たな産業の集積を図る未来を想起することは決して無意味ではない。私見だが、天然芝と人工芝のハイブリッド寒冷地仕様の専用グランドも整備すればトレーニング拠点として各スポーツクラブの長期の滞在も期待できる。

オーナーのつぶやき

三内丸山遺跡には隣接して縄文時遊館があるが、日本人の原風景を色濃く残す風土に触れ、異言語混交する空間に全身を預けることができるのは青森ならではの体験だ。巡礼ではなく、時遊トライアングルの旅へ。もしかすると、地方創生から中小企業の喫緊の課題(人材確保)までを解決できる糸口が見つかるかもしれない。
脱線するが、「津軽はそれでとっても良くなりますね。」という語句を津軽弁フランス語風アレグロテンポで言うと、「ツガル セバダバ イイビョン」となる。古代遺跡・ミュージアム・スタジアムに多様な人種が集う未来を想起して、厳密な行動計画を立て、難題をクリアしてパスをもらおう。

(仮称)○○○スポーツコミッションより愛を込めて、
「西暦2025年、(仮称)あおもり○○○アリーナへようこそ。」

以 上

参考資料 2017/9/1現在
全国で計画されているスタジアムアリーナ整備(未来投資会議・大河チェアマン提出資料より)

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